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家畜技術情報

除角について

はじめに

除角は牛同士の闘争や人に対する攻撃的な行動、牛舎施設の損壊を防ぐ目的で行われます。
角の発育状態によりいくつかの方法がありますので、以下に紹介します。

 

生後1週~1か月齢

角根部に角芽が触知されるようになります。角芽の周囲をデホーナー除角器(写真1)で焼烙(しょうらく)します。
化学薬品を角芽に塗布する方法もありますが、現在は商品が販売されていません。

 

写真1

 

1か月齢~12か月齢

角が伸びてきますので、小型の除角器(写真2 中段)で角を切断した後に止血のために焼烙します。除角器は角の長さに合わせて選択します。
除角器の刃を角に当てた状態で、回転させながら切断すると刃を傷めません。短い角であれば、片手用の剪定鋏(せんていばさみ)(写真2 上段)を代用すると操作がしやすいです。

 

写真2

 

12か月齢~成牛

同様に角を切断した後に焼烙しますが、除角器は大型の油圧式除角器やキーストン型除角器、線鋸などが必要になります。
線鋸(写真2 下段)は軽量なため扱いやすく、断面が鋭利ではないため出血しにくいです。また、あらかじめ両側の角の周囲にゴムチューブなどを鉢巻きのように巻き付けておくと止血効果があります。

 

まとめ

どのような時期に実施しても、鎮静・麻酔下での実施が推奨されます。局所麻酔法として角神経麻酔があります。
目尻と角根部を結ぶ線の中間付近に局所麻酔薬を皮下注射する方法です(写真3)。

 

写真3


 
若齢で実施するほど、作業者も牛も負担が少なく済みます。動物福祉の観点からも、できるだけ若齢のうちに実施することが望ましいです。
また、1頭ごとに器具の洗浄・消毒を実施していない場合、牛白血病による死廃事故については共済金の4割が免責されます。感染拡大防止のため衛生に留意しましょう。
ホルスタイン種については、角が生えない無角遺伝子をもつ精液が販売されています。改良との兼ね合いもありますが、検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

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